ひめトレブログ

欧米の研究情報 |ケーゲル体操の研究から分析するひめトレの優位性について

こんにちは、日本コアコンディショニング協会の石塚です。

欧米の骨盤底筋に関する研究レポート、今回は「ケーゲル体操について」です。
ケーゲル体操は、皆さんご存知でしょうか。古くから伝統的な骨盤底筋体操として
国内でも広く指導されてきたものです。
現在でも、巷にあふれている多くの骨盤底筋体操は、ケーゲル体操を元にしている、と言えるでしょう。

さて、今回はこのケーゲル体操の効果について調べてみました。
私もケーゲル体操には効果があると思っていますが、
今回の論文では、ひめトレの優位性について、あらためて認識を深める結果となりました。

(発表論文)
女性の腹圧性尿失禁に対してのケーゲルエクササイズの効果:ランダム化比較試験*のシステマティックレビュー**

* 評価のバイアス(偏り)を避け、客観的に治療効果を評価することを目的とした研究試験の方法である。従って根拠に基づく医療において、このランダム化比較試験を複数集め解析したメタアナリシスに次ぐ、根拠の質の高い研究手法である。主に医療分野で用いられる。

**文献をくまなく調査し、ランダム化比較試験のような質の高い研究のデータを出版バイアスのようなデータの偏りを限りなく除き、分析を行うことである。根拠に基づいた医療(EBM)で用いるための情報の収集と吟味の部分を担う調査である。コクラン共同計画におけるシステマティック・レビューは、主題ごとに定期的に手入れされ、情報にアクセスできることも意図されている。

注釈:いずれもwikipediaより。

Seong-Hi Park and Chang-Bum Kang. Effects of Kegel Exercises on the Management of Female Stress Urinary Incontinence: A Systematic Review of Randomized Controlled Trials. Advances in Nursing, 2014
http://www.hindawi.com/journals/anurs/2014/640262/

(以下、石塚による抄訳)

腹圧性尿失禁は「力をだして踏ん張ったとき、くしゃみや咳をした時に尿が漏れてしまうこと」であり、女性の尿失禁(尿漏れ)の多くを占めています。
女性の40%が経験すると言われる腹圧性尿失禁ですが、高齢化が進んでいる昨今では、この割合はさらに増えると言われているのですが、問題を抱える方のうち、25%の方しか医療的なサポートを求めにいかないとされているのです。

腹圧性尿失禁は、手術によって改善が可能なのですが、運動などによる保存的な方法を選択することがまず勧められるものです。運動療法としては、骨盤底筋群を鍛えるケーゲル体操が世界的にも有名。このエクササイズは、アメリカの婦人科医であるアノールド・ケーゲルによって1948年に提唱されたものです。一度そのやり方を習得すれば、いつでも、どこでも、患者自身で行うことが可能なので、医療費のかからない治療法とされています。多くの研究でも、「ケーゲル体操は徐々に骨盤底筋群を強くする」ということが示されています。しかし、 実際の症例への結果は、『その個人が骨盤底筋群を認識してからエクササイズを行っているか』、『どれくらい誠実にエクササイズに取り組んでいるか』、『エクササイズの効果をどれくらい信じているか』によって異なります。

そこでこの論文では、女性の腹圧性尿失禁に対するケーゲル体操の効果を明らかにするために、厳密な基準を設けてシステマティックレビューを行います。

1989年から2012年の間に研究された11の論文が抽出され、合計510名に及ぶ女性が分析されています。ケーゲル体操を行った女性は、尿漏れの量を測るパットテスト、膣圧計による測定での客観的な指標でも有意な向上を示し、腹圧性尿失禁症状の改善が見られていました。

ケーゲル体操の方法は、標準化されていませんが、研究結果は一貫して骨盤底筋群の強化を示しており、この体操が安全で効果的な方法であることを示しています。しかし、今回のレビューで使われた文献の研究は約3ヶ月の短期間であるので、より長期間の調査研究が必要です。

(抄訳ここまで)

発表にあるように、ケーゲル体操は効果的ですが、その方法、回数、頻度、時間などの標準的なガイドラインが存在していませんでした。この発表は、お伝えした通りかなり客観的に細かく各種の論文を比較検討したもので、非常に信頼性が高いものです。

さて、“ひめトレ”の存在は、このケーゲル体操をよりシンプルに再現性の高いものにしてくれるはず、と感じています。なぜなら、上記太字にある、骨盤底筋トレーニングにおける、もっとも大切なポイント『その個人が骨盤底筋群を認識してからエクササイズを行っているか』、『どれくらい誠実にエクササイズに取り組んでいるか』を実践してもらいやすいからです。
『ひめトレに座ることで骨盤底筋群を認識できる』、『ひめトレから一定の圧を受けていることで、骨盤底筋群の収縮を感じやすくなる』。またそのことが、『効果への期待を高め、エクササイズの継続を促す』のです。

健全な骨盤底筋群を一生キープし、いつまでも人生を謳歌したいものですね。
あらためて御伝えするのは、1日3~5分ひめトレに座り、骨盤底筋群の収縮と弛緩をやってみてほしいということです。
効果を感じにくい人でも、3週間は毎日実施していただけたら、きっと変化が感じられるでしょう。
そのちょっとした変化は、5年後、10年後、20年後のあなたの人生を変えることになるかもしれません。

コメントは受け付けていません。